街道歩きと言うより登山と言った方が良いようなアップダウンを繰り返します。
島温泉から城ノ越へ、蒲原温泉から葛葉峠へ、最後は姫川から荷換峰と
3つの峰を越えてゆきます。本来ならば姫川で平岩駅へ向かうのですが、
元気なおじさんたちは、明日のことを考えて、大綱の集落まで登りました。





北小谷駅までやってくるには、新宿を7時発の特急スーパーあずさ1号で来なければ
歩く時間が無くなってしまいます。それでも、
北小谷駅を出発したのは12時4分。
姫川を渡って、旧国道を右へと歩き始めましょう。静かな道を少し進むと、右上に
翼竜を銜えている恐竜の姿が。一体なんだろうと回り込んでみました。


その正体は、国道148号線と旧国道に挟まれた場所にある道の駅に
併設された公園にある
恐竜のモニュメントでした、この辺りで恐竜の
化石でも発掘されたのでしょうか。


道の駅小谷にある鬼の厨というレストランで、昼食です。
連休初日とあって、驚くほど混んでいます。白馬から先、糸魚川までドライブインは
無いようで、皆さんここで昼食なのでしょう。40分ほど楽しんで、出発です。


来馬温泉から国道へ出ないで小さな峠を越えると、このザットウ菱の上の道へ
来ます。しかし地元のガイドによると通行できないとのことで、岩壁を見上げるように
下の国道を歩いて来ました。現地で目の当たりにしてもやはり、通れそうにありません。
この先で国道から離れ斜面を登って行くのですが、ついにザットウ菱から来る道は
見つかりませんでした。赤い道を行くのが無難なようです。


国道を少し行くと、左側に降りる道と、建物があります。ここは島温泉で、街道は
この前を通って、すぐ先の写真右の場所から山へ登ります。案内板には

塩の道 天神道入口 城の越―ねじかけ―湯原方面 ゆっくり歩いて2時間

と書いてあります。湯原まで、2時間と言うことでしょうか、我々は2時間で白馬大仏まで
行ってしまいました。かなりゆっくり歩かないとダメなようです。しかし、ここから国道と
別れ急な山道を行くことになります。



最初の急坂を登り切った場所にあるのが、唐沢の庚申塚です。塩の道には多く見られますが
坂の斜度が変化する場所には、何故かこのような目印が在ります。慣れてくると、これを
過ぎると急になるとか、緩やかになるなど、この先の状態が読めるようになります。
ここの庚申塚は天明年間の作、佐野坂の石仏が文政年間なので、更に古い石仏です。


登ること26分、やっと頂上の城ノ越へ到着。見通しはあまりよくないけど
かなり広い場所で、休憩にはもってこいといったところ。右上には三峯様が
あると言うのですが、もうこんな小山も登る元気がありませんでした。


案内板によると、遠く北方に富士山に似た明星山が見えるとありますが、
曇り気味の今日はよく分かりませんでした。根知駅辺りから振り返ると
見えるかもしれません。また、ここには往時
茶屋があったと伝えています。
なるほど、石で作られた
水場がありました。下りは、今までの広い道から
かなり狭い道になります。道標を頼りに間違えないよう、
右下へ降ります


あんなにうるさく、熊よけの鈴を鳴らしながら、歩いて行ったのに、コーナーを
回り込むと、いきなり立っていたのが、この
日本カモシカ。下里瀬で出会った
時は、かなり遠くだったのですが、今回は目の前の塩の道に立っていたので
心臓が止まるほど驚きました。彼は少しも動じることなく、近づくとゆうゆうと
立ち去り、塩の道の上部から我々が通り過ぎるのを確認していました。
しかし、熊ではなくて助かりました。その後もドキドキしながら進みました。



YouTubeにその時の動画もありますのでご覧ください。


砂山の石仏を過ぎると、道は急降下で国道へ向かいます。やはり、坂の斜度が変化する
場所に、目印がありました。
前沢はこんな立派な橋で渡り、更に急になった坂を降ります。


猫鼻への道を案内する道標を過ぎると舗装路になり、砂防堰堤にそって国道へ。


国道へ出たら、すぐに横断して
右の小径へと下って行きましょう。
ガードレールの
塩の道のプレートが目印です。これが無かったら
迷うところでした。塩の道は肝心なところに、こんな標識があり、助かります。


色づいた柿の実の下を行くと、道は二股に別れますが、道標に従って左へ。


河原のような地形を進むと、小さな鉄板でできた橋をを渡ります。
行く手には大きな岩があり、なにか由緒ある岩と思い、道標を見ると
道筋の大岩とありました。そりゃ確かに道筋の岩だ。伝説でも
期待した自分が悪うございました。


鉄板橋辺りから見え始めていた建物が、目の前に現れます。
ここは
湯原温泉。見たところ、建物は更衣室のみなので、露天風呂の
ようです。入口にも天然かけ流し露天風呂とありました。営業時間は
10時〜19時、入湯料は400円だそうです。目の前の紅葉の山を
眺めながらの露天風呂は最高でしょうが、我々は悠長なことを言って
られません。先を急ぐことにしました。今夜は姫川温泉です。


湯原温泉の建物に突き当たるように進み、左へ曲がるのが塩の道です。
曲がってすぐ現れるのがこの
猫鼻石仏群です。ここからは、10分ほど
街道らしくない草の道を進みます。やがて鉄橋が現れ、道を進んで行くと、
鉄橋をくぐって反対側を登ります。最後は鉄梯子で橋のたもとへ。


登り詰めると、トンネルと橋の間に出ました。そこには柵があり、そのたもとに
朽ち果てた木の梯子があります。どうやらこの柵を越えなければならないようです。
荷物もあり、やっとの思いで柵を越えて国道へ出ることができました。
鉄橋は
国界橋で、当初は道が整備されてなく、高巻きをして上流の橋を渡る
予定でしたが、本来の塩の道に近い道を歩くことができ、また距離も稼げたので助かりました。


橋を渡ると、4kmほど、新潟県に入ります。目の前に現れるトンネルは大所トンネル
長さは、2300mほどあり、国道148で一番長いトンネルです。抜ければ平岩駅。
塩の道は、トンネルの手前で、再び
塩の道プレートに案内され右へとくだり増す。


蒲原温泉に向かう、細い舗装路を下ってゆきましょう。目の前には葛葉峠から続く崖の
全貌が望めます。斜面にはおびただしいネットのようなコンクリートの防護が広がります。
ここの姫川は非常に狭い谷を通ってゆくので、崩落も激しい場所なのでしょう。
温泉の建物をかすめるように進み、直前で左へ入り、急傾斜を登ります。


ここが旧国道の通る葛葉峠です。峠には民宿アルプスがありました。
もう営業していない様子です。大所トンネルができるまでは、小生も
よくこの峠を越えました。この店のほかにも数軒のドライブインが
あり当時は賑わったものでしたが、今は夢の跡となってしまいました。
また、当時は、将来まさかここを歩いて通るとは思っていませんでした。


峠のくだりは車道をジグザグに行きます。歩く道はショートカットの登山道が
有るだろうと、ガードレールの上から覗き込んでみたところ、急すぎて階段も
難しい傾斜でした。そんなZ坂の途中にあるのが、この
ボッカトチノキです。
天然記念物というだけあって、とても立派な栃の木で、姫川温泉からも見えます。
きっと雪の季節に歩いた発荷(ボッカ)が、目印にしたのでしょう。


トチノキから下を覗くと、こんな景色が広がりました。姫川の左岸にはホテル国富
その向こうにこれから渡る、小橋とデンカの発電所、奥には今日泊まる
姫川温泉が望めます。
大網の集落へは、この橋を渡り、上り返して右上へと向かうことになります。


葛葉峠の下り道には、よく目印にした、白馬大仏が今でも寂しそうに佇んでいます。
車で必死に坂を登っていた頃は、顔まで分からなかったのですが、よく見ると
やさしそうな変わった顔をしていました。Z坂を降りきり、500mほど行ったスプーン
カーブを二度越えたら、右下へ戻るようにくだり、線路に近づきましょう。
やがて、ホテル国冨と
大糸線の間に道を進みます。誰も居ない立派な公園を
過ぎると、場違いのような立派なホテルがそびえたちます。


対岸には、これから上らなければならない坂が見えて来ました。発電所から延びる
水圧鉄管路の中ほどに、管路を跨ぐ小さな橋が見えます。あそこまで登るのかと
思うと、少し気持ちが萎えてしまいますが、朝一番に登るより良いと思い進みます。
橋の手前には
大糸線の踏切、明日帰るときに是非乗りたいと思っている車両が
やって来ました。1時間半に1本程度のダイヤなので本当に偶然でした。


姫川を渡る橋から、葛葉峠を振り返ります。頂上には昔栄えたドライブインの屋根、
右の赤い屋根の左下には、ボッカトチノキ、その下に白馬大仏と歩いてきた道が見えます。


橋から10分で水圧鉄管路中間の橋を渡ります。車も登れる比較的緩やかな
のぼりです。更に20分登れば頂上の
荷換峰です。ここには発電所の調整池でしょうか
プールのような池が2つ、朽ち果てていました。荷換峰とは、ここでボッカが荷物の
交換を行ったのでしょうか。考えてみると、糸魚川から松本まで通しで歩いたのではなく
地元の村々で、荷物をリレーしたほうが合理的です。そんな場所だったのかもしれません。


荷換峰から少し降ると集落が見えてきました。ここが大網の集落です。
集落の中心にある
大網諏訪社という神社が、本日のゴール。ここで
今夜宿泊する、姫川温泉ホテル白馬荘に電話して、迎えに来てもらいます。
宿までは、車で3分とがっかりするほど近い距離でした。しかし歩いて
降ったら30分ほどかかりそうな急坂です。