池田町市街地を外れ、行政区は大町市に入るところから曽根原の古道は
始まります。一段高い場所を通る街道は北アルプスの展望に恵まれ、
この時期ならではの景色を楽しませてくれます。途中大町市民族資料館も
歩きにアクセントを付けてくれます。



桜にタラの芽、緑の水田に残雪の山々、5月ならではの景色に満足しながら
進みます。山は相変わらず
爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳と並びます。


塩尻周辺でよく見られた雀踊りが、塩の道でも見ることができました。
初めての方のために、中山道を歩いた大河隊長が解説してくれます。


「これは雀おどりとか雀おどしと呼ばれる建物なんだよ。大きな切妻をの屋根で
妻の側に出入り口があるのが特徴なんだ。妻には大きな破風があり、その頂点に
ある飾りが雀おどりなんだよ。こんな建物を本棟造りといって、松本とか塩尻に
たくさんある、民家の建て方なんだ。またきっと出てくるから探してみようね。」


塩の道周辺史跡案内図は、ところどころにあって、今歩いている道が塩の道だという
安心感を与えてくれる設備です。しかし、内容がもう少し詳細だと良いかな。


秋葉神社のある谷にはロープが張られ鯉のぼりが十数匹空を泳いでいます。
花やタラの芽のある春らしい街道風景が続きます。


佐々屋幾神社は大木に囲まれた静かな佇まいを見せます。
右手の土手には、道路拡張により場所を移動することとなった
石仏が並びます。


資料館の手前150mの34kmポスト付近は、特に左側の展望が開け
おなじみの三山が迫ってきました。


ここは用水路の水源地らしく、大量の水がここを基点に、一段下に広がる
田圃へと流れて行きます。そのすぐ先が
大町市民族資料館です。
時間も早いので、資料館に寄ってみることにいたしました。


中は小さな展示室がいくつかあり、その一つに昔の
社小学校を再現した
部屋があり、おじさんたちは懐かしくなって教室で遊ぶことにしました.


写真左は
石板と石筆、昔ノートの無い時代に替わりに使ったものです。
写真右はペダル式の
YAMAHAオルガン


他にもだるまストーブや当時の校印、そして着物に軍服の生徒たちの写真。
他の展示室は、この地で盛んであった
紙漉きを紹介しています。
それは1179年頃、仁科神明宮に使えた社人が奉納するための紙を漉いたことが
起源のようです。最初の紙漉きは宮本地区から始まったため、宮本紙と呼ばれ
徐々に北方へと伝承され、松崎紙ができました。鎌倉時代には技術も向上し
伊勢神宮へも奉納されたようです。江戸時代に入ると年貢を紙で納めることが
許されるようになり、村をあげて製紙業が発展しました。明治になると
洋紙に押され農家はお金になる養蚕へと生業を変化させて行きました。
現在では松崎の腰原氏が唯一この技術を伝承し製紙店を営んでおります。
そのような製紙に関わる展示品も多く、小さな村の歴史を知ることができました。


紙漉きが伝わっていった丹生子へ着きました。ここには二基の灯篭にはさまれた
エプロンをした道祖神があります。その先は集会所、この辺り何処の集落にも
立派な集会所があります。現代でもここで二十三夜講が行われているのでしょうか。


モダンな別荘のような家が増えてきました。大町市街も近そうです。
坂を下って行くと、大変立派な
山下集落センターがあります。


山下集落センターから500m、右に山下神社の赤い鳥居が見えたら、追分です。
ここは少し分かりづらく、注意しましょう。新しい中部北陸自然歩道の標識には
右:大町山岳博物館、左:宮城(有明山神社)とあります。
古い石碑には
右:松崎、左:大町とあることから、塩の道は左へ進むことが分かります。
一見T字路のような形態ですが、うっかりすると直進に近い右の道へと行きそうです。


松崎方面へ行っても、結局は大町へ出ますが、本来の塩の道を進みます。
追分から340m、左側に
館之内公民館が坂の上に見えます。その左には
筆塚をはじめとした石碑が7基ほど並んでおりました。ここにも定番の
二十三夜塔があります。公民館と二十三夜塔はペアのようです。


県道との合流が近づくと、ますます鹿島槍ヶ岳が大きく迫ってくるように見えます。
やがて左下に県道が近づいてくるのが上から見えるようになり、写真右の地点へ
ここでは、左に下りず、塩の道としてあくまで
直進しましょう。


県道に合流すると100mで松崎の交差点、左へ行くのが国道147、本来は大町の
真ん中を走っていた国道ですが、今は大きく西に迂回したバイパスになっており
旧国道を歩く塩の道の旅人にとって静かな道になっています。松崎の交差点は
直進し、
農具川橋を渡れば、大町警察署前交差点、ここも直進します。


税務署の前を通り、警察署から600m大糸線の踏切を渡ります。
更に直進し、踏切から100m行くと左に入る
小径があります。
これが塩の道、そのまま200m進み塩の道博物館への道を入るのも
塩の道で、市街地ではいろいろなルートが許されたようです。


小径に入り、県道へ出るところに日の出町塩の道通りというゲートがありました。
やはりこれも塩の道で正解です。このゲートの下が本日の
ゴールになります。
今日は大町駅そばの竹乃屋旅館に泊まり、明日も塩の道を北上します。


時間が少々早かったので、閉店直前の塩の道博物館へ行きました。


内を見学している時間はなさそうですが、昔見学したこともあり、
本日の目的はこの
ガイドブックを購入すること、塩の道もこの先は
幾重にもルートがあり、宿泊地等考慮しながら綿密な計画を立てる
必要があるため、より詳細な地図を掲載したこの本は必需品となります。
この本は白馬小谷研究社出版で、アマゾンでは販売していないため
こうして現地で買うことを決めておりました。