その2

たそがれ清兵衛の宿には明鏡止水という美味しいお酒がありました

清兵衛が,突然走って来そうな茂田井の中心部を歩いているのは,
イギリス人のサリーちゃんとボクの弟の佐武です。電信柱を取って
もっと宣伝したら,きっと中山道で一番の観光地になると思うけど
ボクは,この静かな茂田井が好きだから今のままいつまでも静かな
街で,また来たときも今日と同じ街が待っていてくれたらいいと思いました。

9時03分
武重酒造を過ぎると急な坂になって,今度は大澤酒造がその隣にあります。
この坂にあった石垣は,
お城の石垣みたいにカーブしているんだよ。
そばへ行ってさわってみるとよく分かるんだけど,石と石もピッタリくっついて
どうやって作るのか不思議でした。昔は優れた職人さんが居たんだって。

9時06分
 
大澤酒造は,ただの酒蔵かと思ったら中へ入ってビックリしました。
書道館と美術館も有るんだよ。ここへ来たら絶対に入った方が良いよ。
お庭に入って行くと,おじさんが出てきて
美術館の電気をつけてくれました。
普段は電気がもったいないから消しておくんだね。美術館には大きな絵が
たくさんあって,みんなで気に入った絵を決めました。いろいろな人の絵が
あって,それぞれ描き方が全然違うので面白いよ。スロープになって
いるのでバギーの人や車椅子の人も安心して入れるからとても好いよ。
もちろん大澤酒造って言うくらいだからお酒も売っています。
明鏡止水というお酒で,江戸時代に善光寺のお坊さんの宿だったので
この名前にしたそうです。パパは試飲できるものだから,全部のお酒を
飲んで,「今日はもうこれ以上歩けないぞ」って言っていました。
ボクのおじいちゃんのお土産にパパが一番美味しいって言ってたお酒を
買ってもらいました。じいちゃん喜んでくれるかなぁ。

9時08分〜9時20分
大澤酒造の端っこに,高札場が再現されています。そこを過ぎてもまだまだ
昔の家並みは続きますが,だんだん普通の家も増えてきます。
しかし,どの家もお庭の植木が立派で,パパは感心しながら見ていたんだよ。

9時28分
もう一回急な坂を登ると,茂田井宿もそろそろ終わりで,宿場の屋根の向こうに
今まで歩いてきた景色がよく見えるよ。でもバギーを押しているパパには
この急坂は大変だったみたいだね。ママはさすがにくたびれちゃって平次に
歩いてもらい,サリーちゃんに空のバギーを押してもらって登りました。
今日はまだ4月なのに,とてもいい天気で夏みたいに暑かったから
ボクも坂を登ったあとのどが渇いてしまいました。

9時35分
京都の方から歩いてきた人は,ここが茂田井宿の入口です。
ボクたちはとっては,楽しかった茂田井宿の出口です。
間の宿って
書いてあるけど,これは望月宿と次の芦田宿の間の宿なんだ。
熊谷のそばの吹上も間の宿だったね。入口の看板にも書いてあったけど
望月宿が洪水で壊れちゃったとき,ここを正式な宿場にしようと思って
幕府にお願いしたんだけど,だめだったんだって。でもそれだから
今でも静かな茂田井宿が残ったのかもしれないね。

9時44分
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