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上諏訪を出発すれば、もう甲州道中のゴールまで5kmほど、12日間の旅も終わりに
近づき、少々寂しさが溢れそうです。さて、国道を離れ、教育博物館のある裏通りに
入ると、最初に目に付くのは
喫茶店の石の花。古い民家に古い門、この建物は
明治時代の初期に建てられたお医者さんの家で、それをそのまま改築し喫茶店と
なっています。シンプルなケーキセットが人気で、休憩には持って来いですが
日本酒が入ったお腹にコーヒーは合わないので、諦めて通過しました。
続いて現れたのが
吉田のマツ、諏訪市の天然記念物で、樹齢は300年余り
高島藩士吉田式部彦衛門が大阪城守備の任務から帰ったときに持ち帰ったと
伝えられ代々吉田家の庭にあったものを昭和の初めにこの地へ移したと
説明板は語っています。と言うことは、江戸時代の旅人は観られなかったのです。


うっかりすると見落としてしまいそうな民家の陰に、ひっそりと
五十二里塚跡の碑が
あります。その先、立派な民家の門の中を覗くと、見たことがある建物が、
思い出しました。あのテッシーが発見した
古い公衆浴場です。今では使われなくなった
温泉ですが、その建物は風格さえ感じます。


やがて道は緩やかに右にカーブし登り坂が始まります。この付近に殿村遺跡
あるはずなのですが、発見できず。縄文時代の住居跡を復元してあるといい
目立つはずですが、どこに有るのか案内板もなく、分かりませんでした。
道が
Y字路に分かれるところにやってきました。右へ登れば温泉寺が有ります。
温泉寺の裏手には諏訪市の文化財である高島藩の主廟所があります。
余裕のある方は、登ってみてはいかがでしょう。我々酔っ払いチームは、
ゆとりが無くなってしまったので、
左の甲州道中へと歩を進めます。


Y字路の先には児玉石神社があります。境内には大きな石がゴロゴロあり、
鳥居の下に鎮座するのは通称
いぼ石と呼ばれ、その石の凹部に溜まった水で
いぼを洗うと必ず直ると信じられ信仰を集めています。きっと石が最初にあって
その周りに境内を築きあげたのだと感じさせるほどの大きな石でした。


抜け道になりそうな細い道路がうねうねと曲がりながら坂を登ってゆきます。
途中の民家で見つけたのは、この
大きなタンク(写真左)、これは温泉を
溜めておくタンクで、この付近の民家には付いている家が多く、家庭で温泉に
入れるこの地方が羨ましく思います。右手に
杉の森が現れたら先宮神社です。


先宮神社は古くは鷺宮神社で、諏訪大社より古く大社がこの地にやってきたとき
抵抗したがついには服従したため、他の場所へ移ることを許されず、境内前の
小川には橋も架けられなかったと伝えられています。この日も祭礼があるのか
境内は子供や大人が準備に追われている様子。ちょっと入りそびれてしまいました。
その先右手には、
寿量院があります。このお寺の裏へ登った辺りが諏訪湖の
花火の丸秘スポットらしく、二人きりでひっそりと楽しむには良い場所です。


上原の先、神戸地区で現れた雀おどりは、この辺りになると多くの家の屋根に見られます。
中が格子状になったものは初めてで、この地域独特のものかも知れません。
甲州道中の後、五千石街道を松本へ向かいますが、そこでの発見も楽しみです。
いずれ、調査結果をまとめて発表できたらと思っております。


寿量院の70m手前、消防団第1分団第1部と、武居屋酒店の間に、珍しいケヤキ
有ります。諏訪へ向かって歩いてゆくと幹の太いずんぐりとしたケヤキが左手に
現れます。根元には甲州街道の石柱があり、目通りには注連縄が巻かれていますが
特に変わった木には見えません。しかし裏側に回ってみるとビックリします。
このケヤキ、表皮だけで生きているではないですか、笹子峠の矢立の杉を
思い出しました。あちらはそれでも全周にわたり表皮はありましたが、ここのケヤキは
半分しかありません。樹齢も分かりませんが、よくがんばっています。


武居酒店の角から、急な下り坂越しに初めて諏訪湖の湖面が見えました。
こうして街道歩きで見る諏訪湖は、車で来て中央自動車道から観る諏訪湖とは
一味違う諏訪湖なんです。中山道のときも下社春宮の手前で初めて見たときは
感動しました。江戸時代の旅人や、明治天皇も感動されたと思います。

真ん中の常夜灯は
天保年間のもので、北村中の銘があります。しかし
これでは火をともすところがありません。きっと破損してしまったものを
残ったパーツを組み合わせ、復元したのでしょう。痛々しい常夜灯です。

旅館山水の前に差し掛かると道は急な登りになります。
試飲が利いている我々には、このくらいの登り坂でも酒が回り
苦しい登りとなりました。飲みすぎにはくれぐれもご注意ください。


旅館山水、ホテル野路と回りこんで行くと道は平らになり、左手に湖面が広がります
狭い土地をも活かした段々畑も美しく、大きな建物はエプソン高木事業所で、
その向こうに中央本線、国道20号が通りそして更に向こう側に湖面が広がります。
湖面には白鳥の形をした遊覧船がのどかに浮かび、ここまで来たことを実感します。