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この古い常夜灯は珍しい。東海道でも中山道でもお目にかかったことがありません。
それは街道の真ん中、ちょうど交差点になっている場所に立っているからです。
日本橋から来た方は、道の真ん中にゴミ集積所があると思うでしょう。
表の写真は諏訪方面から振り返ったもので、ゴミ集積所は見えません。
地元の方には、丁度良い場所なのかもしれませんが、旅人には少々残念です。
夜、この常夜灯に火が入っても、江戸から来た人には見えないからです。


その交差点で左を見ると
桑原共同浴場という大きな温泉施設がありました。
その先で左側の展望が初めて開けます。遠くの山の下は全て諏訪湖になりますが、
建物が邪魔をして観ることはできません。江戸時代の旅人はきっとここで
諏訪湖を見て
感動したのではないでしょうか。


常夜灯から400m行くと、突然信号機のある交差点を横断します。
ここを右へ登ってゆくと、渡辺牧場を抜け、霧が峰湿原を右に見て
グライダー場の先霧が峰スキー場前でビーナスラインに出ます。
ビーナスラインからの帰り、前後が渋滞した場合、この道を降りてくれば
渋滞知らず、最後は諏訪中央自動車学校前で、国道20号へ出て
諏訪インターから帰れるという、取って置きの抜け道、パパもよく
利用させていただいた道です。今回はその思い出の道を横断して進みます。


信号から125mで足長神社です。ここは日本橋から丁度203kmの場所、
ゴールが約211kmなので、あと8kmとなりました。頑張りましょう。
この先、諏訪の町には手長神社もあり、
手長足長伝説を思い出します。
元々は、今から1200年ほど前、秋田県と山形県の境、三崎山に伝わる妖怪で、
水木しげる氏の妖怪辞典にも登場するポピュラーな妖怪です。三崎山では
一人の妖怪の手と足が長いとなっていますが、妖怪辞典や、教来石の
諏訪神社に彫られた手長足長では、足の長い妖怪に手の長い妖怪が
肩車し、ペアで活躍していたようです。この諏訪でもそれぞれの神社が
あることから二人いたことになります。諏訪の手長足長は諏訪明神の
家来と言うことになっているようですが、鳥海山に始まった伝説が福島や
飛騨高山など全国へ広まったということはよほど昔の人にはリアルな
妖怪だったのかもしれません。


足長神社から10分ほどで、旧国道へ合流します。100mほど行った右側には
細武温泉共同浴場がありました。諏訪の町には随所にこのような温泉があり
町の人は自宅に風呂を作らなくとも暮らせそうで、羨ましい限りです。
旧国道は、車の往来も少なく、所々には
雀おどりを付けた家もあり風情があります。
そんな旧国道は600mほど続きますが、出口付近には趣のある
道祖神が有りました。
秋葉山の石柱の隣にある二人の顔を良く見ると古風な切れ長の眼を
した二人が豪華な衣装で寄り添っています。


ここで国道20号に合流すれば上諏訪の町はすぐそこ、清水1.2丁目信号手前には
写真右のような崖屋造りの家があり、木曽福島を思い出させます。我々は国道を行きましたが
この下の道も、信号のところで国道に合流するすることから、
これが旧街道かも知れません。


清水1・2丁目交差点を過ぎると、まず左に丸二河西本店(写真左)と言うワラ製品の店があり、
4軒隣には和装小物の
かねさ嵯峨野(写真中央)、そして道路右には高原はちみつの
山田養蜂場(写真右)と、珍しい店が現れ始めました。我々が楽しみにしている酒造通りは
この先元町交差点から諏訪二丁目交差点の間になります。


やってきました、上諏訪酒造通り。霧が峰の伏流水が湧くこの地は古くから酒造りの地として
有名です。現在でも5つの酒蔵が軒を並べ、その一つ一つを堪能したいと思います。
地図の
蔵元名をクリックすると、その蔵元のホームページにリンクします。

  元町交差点にある最初の酒蔵が宮坂醸造です。真澄で有名ですが、ご家庭の
 皆様には、神州一味噌の方が有名かもしれません。その真澄は1662年、諏訪大社の
 ご宝物「真澄の鏡」を冠し作られました。生酒が手頃で旨く、この地方に寄った時は
 必ずクール宅急便で自宅へ送るほどです。昭和21年に発見された協会7号酵母は、
 全国で使われている酵母で、この蔵から発信されました。そのオリジナル7号酵母を
 使った「七號」や海外でも人気である純米大吟醸の「山花」など、すっかり堪能しました
宮坂醸造の並びには角間十王堂跡の石碑が建っています。初代高島藩主諏訪頼水には亀姫があり、
家臣の小沢家に嫁ぎました。その亀姫が書状を下男に託したところ、日ごろから仲が悪かった
下男は書状を川に捨て、難を逃れるため永明寺に駆け込みました。これに怒った頼水は下男の
引渡しを要求しましたが、寺が拒否したため寺を焼き払い下男の首を刎ね、その場に捨てました。
それがこの場所で、町人は祟りを恐れ、亡者の裁きをする十王をここに祀ったと言われています。


次に訪れたのは、横笛の伊東酒造です。ここの「横笛高濃度古道」はアルコール度数が高く
芳醇なコクと濃醇な味わいの酒で、人気があります。ここでももちろん賞味といきました。


ここで国道を右側へと移動します。横笛の向かいに有るのは、本金の酒ぬのや本金酒造ですが、
この日はどういう訳かお休みで、試飲することができず残念。並びが麗人の
麗人酒造
ここの酒は真澄などより新しく、1789年の創業ですが、
平成6年、第59回関東信越国税局
酒類鑑評会において、関東信越290蔵の中から最優秀賞(首席)を授与されました。
大きな蔵造りの店は舞姫の
舞姫酒造です。街道てくてくの勅使川原郁恵さんがゴールした店で
各蔵元がこの店に集まり、自慢の酒をテッシーに勧めたところです。我々も再び試飲です。
明治27年味噌蔵の亀源から分家し亀泉酒造店としてスタートした比較的新しい蔵元です。
ここの酒は、甘口でもなければ辛口でもない、甘・酸・渋・辛・苦の五味が程良く調和した酒で
つい飲みすぎてしまいました。ゴールまでは5km程度じゃないかと高をくくって試飲した
我々には、
地獄のアップダウンが待ち構えていることなど知る由もありません。

 


諏訪一丁目交差点で、国道は真っ直ぐ進みますが、甲州道中は右折します。
上諏訪駅は国道を進んですぐ左、右折した我々は駅前の「まるみつ」「スワプラザ」の
裏手を進むようになります。ほろ酔い気分の我々ですが、平らな道はこの交差点まで。
たいした登りではありませんが、4軒で試飲のはしごをした我々にはとてもきつい登りになります。